One World 鑑賞で感じた世界が変わる予感を実質GDPの遷移とともに探る

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日本では4月19日深夜からの配信となった、レディー・ガガがキュレーションしたイベント『One World: Together at Home』。
観られた方はどれくらいいらっしゃるでしょうか? コロナウイルスと闘う医療従事者などを支援するための催しということで、現在はその映像全8時間がYouTubeで観られるようになっていますし、楽曲のみならSpotifyで配信も始まっています。

ザ・ローリング・ストーンズに、スティービー・ワンダー、テイラー・スウィフト、エルトン・ジョン、ポール・マッカートニー、アダム・ランバート、サム・スミスなど新旧のアーティストがそれぞれ感動的なパフォーマンスを披露しました。現在はライブコンサートが開催できないというアーティストの想いも充分に届く気がする、「観客と繋がることができる」という実感はこれまでのどんなチャリティイベントと比較してもとてつもなく大きい試みであったと思いました。

そもそも世界の中の日本をきちんと振り返ってみる

今回のコロナショックについて、100年に一度(スペイン風邪の流行がありましたし)あるいは200年に一度というような表現をされているわけなので、実際にこの200年間の経済情勢を振り返って、この社会背景をきちんと整理して、この先の話を進めていきたいと考えました。

実質GDPのシェア比較

1820年 1950年 1998年 2019年
日本 3.0 3.0 7.7 6.0
アメリカ 1.8 27.3 21.9 24.6
EU 15.1 16.7 11.9 12.7
中国 32.9 4.5 11.5 16.9
旧ソ連 5.4 9.6 3.4 1.7(ロシア)

上記の表のもとになる数字は、経済学者アンガス・マディソンの調べと、直近2019年の数字は内閣府の発表に依ります。EUあるいは旧ソ連という分類は少々乱暴なものになっていますが、あまり細かく分岐させると全体像がつかめないので、その点はご承知ください。

まずは少し世界史的なおさらいをしながら、確認できる数字を追いかけていきましょう。1820年というのは、日本は江戸時代中後期です。中国は「清」の時代。やはり目を引くのは、圧倒的な中国の強さです。

やがて、産業革命の波がヨーロッパから生まれ国民国家が誕生し、その後、2度の世界大戦を経て、新しい世界秩序が語られます。それが1950年。第一次大戦以前、ソビエト連邦が生まれるのは1917年のこと(ロシア革命、と呼ばれているわけですが、若い世代の方々はもうかなり遠い過去のことなのかもしれません)。1950年とは、世界的な戦後復興の時期。ここで目にとまるのは、アメリカの飛躍と、ソ連の伸長でしょう。東西対決の始まりでした。この時点の日本の数字は、明治維新前の江戸時代と同じである点にも注目したいところです。これ以後、日本は高度成長を迎え、一時期は世界に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言わしめるわけです。

1998年というと、日本ではバブル経済崩壊直後の時期です。EUの誕生は1993年、その少し前、ソビエトの崩壊、天安門事件、東西ドイツの統一と1989年に劇的に連なって発生しました。これがおよそ、30年前の出来事です。この時期、情報産業が勃興し、これはまさに現在のGAFAMの専横に繋がっています。上記の数字には表れていないのですが、2011年にジャスミン革命と呼ばれる民主化運動が活発化しますが、それを支えたのはTwitterやfacebook などのSNSでした。1998年の数字で改めて注目したいのは、中国の復活です。

昨年の数字はどうでしょうか。中国がさらにシェアを伸ばしています。国際経済では米中戦争という言葉がすでに当たり前にもなっていることも、すでに私たちは目撃しています。中国の数字に注目をして、では、天安門事件後に中国が現在に至るまでどのような取り組みをしてきたかということを確認しておくと、産業構造の大転換を図っているし、社会体制もいわゆる単純な「共産主義国家」から市場経済を導入し合理的な変革をしています。産業構造については、垂直統合型から水平分業型へ転換したという説明がわかりやすいでしょう。一方では、ほとんどの著名企業が国家所有であり、そういう点では「社会主義」はしっかりと残っています。そのほとんどがすでにGAFAMと肩を並べる企業に成長しています。残念ながら、そのステージに日本企業は1社たりとも存在していません。

さて、アメリカ経済学者の先週の発表によると、今回のコロナシェックでアメリカの今年度のGDPは20%マイナスになるとの予測です。コロナショックは戦時下に例えられ、それは非常に暗い気分にさせられるのですが、まさにその暗い気分を音楽の力で払拭させようという発想がこの度のOne Worldというイベントのきっかけでした。

実際に、イベントの冒頭で、この企画の発案者と名前が上がっているレディ・ガガがこのように語っていました。
「番組を見る人たちはすでに疲れているだろうし、自分たちの未来にも不安だろうから、音楽を聴いて番組を楽しんでもらえたら嬉しい」

One World:together at homeをリアルタイムで見た意味

すでに50の齢を数える身としては、こうした音楽イベントで真っ先に思い浮かべるのは、80年代に開催された『ライブ・エイド』です。QUEEN人気を復活させた映画『ボヘミアン・ラプソディ』でクライマックスに描かれたイベントであると説明すると、あぁあれね、と理解される方も多いかもしれません。立案したボブ・ゲルドフはノーベル平和賞候補にもなりました。

もっとも、ぼく自身当時は20歳前でしたが、現地まで行って見られたわけでなく、テレビの生放送に齧りついていた記憶があります。音楽ファン目線から振り返ると、演奏が途中で切れることばかりで結構イライラして観ていました。ちなみに、意中のバンドはLED ZEPPELINでした。フィル・コリンズがドラムでしたが、その演奏があまりに残念なものだったのでしっかり覚えていません。余談ですが、彼らが真剣に復活した2007年のライブは感動モノでした。ドラムは、オリジナルメンバーのジョン・ボーナムの息子のジェイソン・ボーナム。

ということで、One World:together at homeを自粛モードの午前3時から9時まで観ちゃいました。ずーっと、モニタを眺めていたかと言うとそういうわけではなかったのですが(正直に言えば、知らないミュージシャンも多かったので)、ストーンズの登場はつい真夜中にもかかわらず「おぉ〜」と声を上げたし(チャーリー・ワッツの何を叩いているのかわからない画面はその後少し話題にもなりました)、アニー・レノックスがユーリズミックスをまったく違うアレンジで娘とリモート共演するのはちょっと感動したし、エディ・ヴェダーのオルガン演奏も意外でとても良かった。彼らに限らず、参加者全員から伝わるのは、音楽への愛でしょう。愛という言葉を信頼と置き換えてもよいと思います。それに向きあう真摯な態度という表現でもいいかもしれません。このイベントでは、それを代表していたのがキュレーターを努めたレディ・ガガだったのではないかと思います。

日本人ミュージシャンが一人も参加していなかったのはどうしてだったのでしょうか、わかりませんがライブエイドの時は日本からの参加もありました。

鑑賞スタンバイの前に、編集部のNくんにこのイベントの共有をしたら、知らなかったのでおじさんとしては少し残念な思いをしたことも付け加えておきます。また、夜中に見ている間は、ふ〜ん、という印象だったのですが、このあとに数人の若者たちに改めて共有したり、一緒に動画を観ていて気付いたことがありました。ついでに一言加えておくと、テクノロジーのみが社会を変革するのではないのだということを強調しておきたいと思います。

・動画編集技術の明らかな進化

・いかに「世界」につながることの敷居が低くなっているか

・ストリーミング技術(ネットインフラ)の進化

アーティスト目線からの意図というのはここではいったん外しておいて(日本国内でこの視点で挙げられるのは星野源の「あれ」でしょう)、例えば「ライブ・エイド」経験との比較で明確に整理できるところが上記の3つかと思いました。

そのうえで、ミュージシャンたちが、自宅から身内のカメラを使って世界につながっているという世界観は、よくよく考えると本当にすごい。ポール・マッカートニーは、自分の母親が第二次大戦時は看護婦をしていたんだと話して、医療関係者への感謝の言葉を述べ、「レディ・マドンナ」を(ジャズっぽい感じで)演奏しました。

いま、Youtubeを検索すると、同様意図の動画がずいぶんたくさん見つかります。もちろん国内のアーティストたちも積極的です。

最近見つけて、とても面白かったのは、
リモート演劇『zoomの数字』(あえて音楽以外でピックアップしました)

いま見たら、思ったより見られていないので、観劇など好きな方々はぜひ応援してほしいと思います。この劇団にかかわらず、他にも同様取り組みしている劇団があるはずです。

さらにグローバル視点が必要な社会になっていくことを想像する

締めに入りますが、
誠に残念なことに、「緊急事態宣言」が5月いっぱい延長されます。

上に、中国がかつて事業構造を大きく転換したという例を言及しましたが、日本でもこと働き方という1点において「リモート勤務体制」がコロナショックで急激に進むことになりました。とはいっても、全労働者人口の比率で捉えるとまだ10%あるかどうかです。ここは数字の捉え方のギミックで、大規模事業者に限ればすでに80%を越える比率でリモート勤務が進んでいます。日本の労働者人口の大半は、中小企業従業員あるいは非正規社員(特に女性に限れば55%が非正規雇用)であるということは明確です。

したがって、今後もまだまだその数・比率の面、産業構造の面からのアプローチは不可欠であると言えます。日本という国の歴史で振り返ると、直近の産業構造の改革は明治維新ということになるでしょう。戦後復興、という意見があるかもしれませんが、あれは産業が変わったわけではありません。戦後に生まれた日本を代表する企業群が高度成長の礎となっていたのは事実ですけれども。

もうひとつ。今回イベントでの、『「世界」につながることの敷居の低さ』という感覚はとても重要なのではないかと考えます。「One World = 一つの世界」との言葉通りの認識が世界中により広がっていくということ。グローバル経済という言葉は、もはや大前提で使われることがなくなる経済認識。悪い見本としては、世界の富の半分を1%の人たちで分け合っているというような異常な社会。すでにいくつもの警句が発信されてきましたが、世界中で新しい社会のあり方の模索と新しい試みが進んでいくことと思います。もちろん、新しいテクノロジーによるイノベーションが期待されています。

動画編集技術って?

少し視点を変えます。
ぼく個人の動画編集の試みは、この10年くらいあまり進化していなかったということもあったのですが、この分野も驚くほど進化していたことに改めて驚嘆しました。今回のZoomなんとかで当たり前のように目にする画面分割編集など、ぼくの知ってる技術(アプリケーション)で行なうと、3日くらいください、という話なのですが、iPhoneでできてしまう時代となっております。

それはともかく。動画編集がずいぶん簡単になったという事実を背景にしても、動画編集が完全自動化となっているわけではないので、動画コンテンツが増える分、動画編集作業のボリュームが当然増えているのだという推測も成り立ちます。実際に調べてみると、例えばクラウドワークス社がこの4月にプレスリリースを出していました。

動画制作の伸び率トップは「広告・PR用(漫画)」(278%)、要因は明瞭さや具体性。

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000050142.html

 

ビジネス面で語れば、動画分野の成長はもともと今年も大いに期待されていました。3月には5Gが解禁されています。
残念なことに、そういったコンテンツ開発が想定どおりに進捗していません。一方で、より簡易な動画がいま大量に制作され公開されています。

リモート勤務がもう少し、多くの人にこなれて、現在ではなかなか進捗させられないプロジェクトも問題なく動き始めるようになれば、現在よりももっと多くの動画編集スタッフが必要になるはずです。

最後に
今回は「One World」を切り口に動画編集、ストリーミング技術の革新について触れてまいりました。オンライン◯◯、リモート◯◯、在宅◯◯のように環境変革が加速するなかで、企業の採用活動も大きく変わってきています。企業にとっては、求職者・応募者向けに「会社に行かずとも会社を知ることができる」ための措置を講ずる必要性が高まり、就活生や転職希望者もまた、いかに効率よく信憑性のある情報を得らえるかを模索しています。
そのなかで「動画で自社を見せる」ことの意義は年々高まっています。特にこれからは条件よりも環境で働く場所を選ぶ人が増えてくると予想されるため、短い時間で直感的に雰囲気の伝わる「動画」が担う役割は大きいです。

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野田 収一

プロデューサー 1966年生まれ。 大学卒業後、書店店長を営みながらamazon.comの誕生を目の当たりにし衝撃を受けWebを仕事にしようと心に決める。 ...

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