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羽生結弦選手のTwitter動画から学ぶ「何を伝えるか」「どう伝えるか」ということ

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この数ヶ月、イベントらしいイベントが何も開催されていません。実に寂しいことです。そんな中でもあったので、前回の記事で取り上げたOneWorldはなおさら感慨深いイベントとなりました。
実を言うと、何事もなかったら、この時期はフィギュアスケートショー(アイスショー)をはしごしていました。昨年の6、7月には、Fantasy on Ice 2019 というイベントを都合2回鑑賞し、当然のごとく散財もしているわけですが(チケット、かなり高いので)それ以上にエンターテイメントとしても楽しいイベントで、本当に今年も楽しみにしていました。

フィギュアスケート人気を最前線で支えているのは、羽生結弦選手です。アスリートとしての彼の実力をもはや知らない人はいないでしょう。その彼が昨日、日本スケート連盟が企画して各選手の投稿を公開してきた「#SkateForward明るい未来へ」動画に登場し、午後すぎの公開から本日現時点(17時)で既に37万再生を記録しています。

羽生結弦選手のアップした「#SkateForward明るい未来へ」動画を観る

まず、ご覧いただいていない方は、ぜひ以下のリンクからご確認ください。

1本目

2本め

3本目

GW連休が終わるタイミングであったのが、意図的なものなのかどうかはわかりませんが、前日の樋口新葉選手が「SEIMEI」ポーズをしてそのバトンを引き継いだとわかるやいなや、彼のファンはどうやら待ち構えていたようです。公開と同時に数万再生数がカウントされたというのも、やはり彼の人気の凄まじさを物語ります。また、今朝のスポーツ紙の1面見出しはほぼこの動画の紹介記事でした。
「まるで優勝したかのよう」という評価もうなずけます。

今回の動画、初見の方は何を感じられるでしょうか? 広く社会に向けて公開される動画ですから、彼自身、自分のファンだけに向けて発信をしていません。この3つで1セットになる動画の特徴を挙げると、
・冒頭のメッセージ以外に「言葉」がない
冒頭で彼は「2011年3月11日から今日までの自分とプログラムたちとの道のり」を示す、と告げます。
・次から次へと、氷上で演じたプログラムの振り付けを「自室」(? なのかな?)で演じる姿が曲とともに連なっていきます
・プログラムが切り替わるたびに、きちんと髪型も変えている
・最後に、「SEIMEI」の冒頭の一瞬が移り「SkateForward」のキャッチフレーズに切り替わります

また、本人からのメッセージは一切ありませんが、この3本の動画の合計尺は311秒だそうです。

各プログラムについて語るのは、控えます。個人的には、『春よ、来い』の一挙手1頭足がすべて「音」になってしまっているかのような振り付けに感嘆するし、『パリの散歩道』『Let’s go Crazy』のようなぼくが大好きな楽曲についてもいくらでも語れますが、いまここでお伝えしたいのはそういうことではありません。

なぜ、羽生結弦選手は、この動画に言葉をなくしたのだろうか、と考える

先月半ばに、JOC=日本オリンピック委員会のアスリート委員会の呼びかけに応じて、羽生結弦選手もメッセージを発信していました。その際にも、そのメッセージが世界中のメディアでニュースとなって取り上げられました。

「3・11の時の夜空のように、真っ暗だからこそ見える光があると信じています」と彼は語りました。

このメッセージをはじめて目にしたとき、「がんばりましょう」「いまは、〇〇だけど」というような言葉が一切使われていないことに本当に驚きました。あるころから、インタビュー等の受け答えを通して知る彼のことを、知性のある人だなという印象は持っていましたが、このメッセージは、知性だけでなく理性も一級品なのだなと思い知らされたということはお伝えしたいと思います。

まさに、ここで自分が伝えたいことは既に伝えている、という自覚があったからこそ、今回のTwitter動画には言葉を一切加えない選択ができたのだと勝手に思いました。勝手にとは言いますが、間違いなくそうだと思っています。

そのうえで、では、何を動画として伝えるか? 今回の動画を見てはじめに思い浮かんだことは「いかに、ファン思いであるか」という印象でした。

昨年何度もアイスショーに参加したとお伝えしていますが、ショーの最後で毎回必ずマイクを通さない「ありがとうございました!」を伝えることを義務化していました。余談ですが、「ももクロ」のコンサートで深々と感謝の気持ちを込めて頭を下げる彼女たちを初めてみたときと同じくらい、こちらこそありがとうね、という気持ちになりました。

羽生選手は自分には実に多くのファンがいるという自覚も当然あります、ここ数年のインタビュー等の受け答えをみていてもそれはたしかに伝わるし、本気でその感謝を伝えたいと行動していることもよくわかる。

「では、どうしたらファンの人たちが喜んでくれるかな」
そういう発想で、まずどういう動画を制作するかを考えることは、いわば当たり前。「トリプルアクセルは体に染み付いている」みたいなことを以前にインタビューで答えていたかと記憶していますが、自分が氷を降りて振りをしている姿を見せるだけで、ファンは満足してくれるだろう、とは彼は考えもしなかったでしょう。

新聞各紙は「祈り」だと、今回の彼の姿を見出しにしました。ぼく自身も、そもそも舞踊は神事でもあった、と一番最初に思いました。
彼が今回の動画で伝えたかったことは、復興への祈りであり、平和な生活への祈りなのだと間違いなく思います。

だからこそ、動画の尺は311秒なのだと想像するのです。

求道者としての羽生選手とこれからの世界

現在の日本人アスリートの中で、飛び抜けて世界から支持を集めるのは、羽生結弦選手をおいていません。世界で活躍する選手は他にもたくさんいますが、その知名度を比較すれば群を抜いています。と、こう書くと一部から批判も受けそうですが、フィギュアスケート界を巡るゲスな騒動は、日本のダメさを体現するがごとく思えて非常に残念に思っています。

というのも、もともと名古屋人でもありますので、フィギュアスケートと言えば、伊藤みどり選手が活躍していた頃からかなり親近感をもって応援してきたスポーツです。彼女が銀メダルをとった頃には、メダル獲得前日の転倒時の写真を1面に取り上げた各メディアの意地悪さをいまでもよく覚えていますし、浅田真央選手を「大事な時にすぐコケる」と嘲笑する言葉を放った今回の五輪の責任者を忌々しくも思っています。

荒川静香選手が金メダルをとった際には、彼女を支えたご両親のストーリーとともに、その後の荒川選手の活躍を大いに期待しました。荒川選手が金メダルをとったその年だったと思いますが、日本スケート連盟役員数名が不正を働いた容疑で逮捕されています。

さて、ここでその団体の不正をあげつらいたいわけではなく、多くの会社や団体が旧態依然とした仕組みやシステムで世界から置き去りにされていることは、実は僕たちはたくさん知っています。そんな体験をしている人たちは少なくありません、例えば、同じスポーツで考えるなら、なぜ野球は人気を失ってきたのか? そもそも高校野球はいつまで丸刈りじゃなきゃいけないのか? 柔道界の不正や暴力がいつまでたってもなくなりません。それら無意味かつ非道な約束事のオンパレードです。少し前だと、ドラマ『ノーサイドゲーム』で競技団体の不正を描いていました。

競技を真剣に続ければ続けるほど、団体の不正義が目につくことはおそらくどのような競技にも存在しているでしょう。スポーツに限ったことではありません。あらゆる団体で、いつまでも不正義がはびこっています。そういうことと共存なくしては、競技が続けられないのか? 最近の羽生選手には笑顔が見られないことが、ずっと気になっていました。かつて、CSで平昌五輪後の『Continues ~with Wings』というイベントの舞台裏映像を流していたのですが(一番のお気に入りです)、笑顔がすごく素敵でした。

求道者と呼ぶのが正解ではないか、と最近の彼の動向を見ていて思います。例えば、今回の動画を振り返っても、そこまで徹底しなくても、と「フツー」なら思えるところをこだわって制作しているのでしょうし、彼自身がフュギュアスケートを続けることで築いていける未来あるいは社会を思い描いて行動しているのだろうと、よくわかります。

「そんなに頑張らなくていいよ」
と親目線ではいつも言いたくなります。

が、実を言うと「いま、おれがやらなきゃ」という考えは、もともとぼく自身もよく自分を奮い立たせる時には意識的に使っていたものです。いまでもなんとなく使っていると思います。だから、「そんなに〜」とは結局は言いませんが、求道者でいる姿よりも、やがて北京で溌剌とした笑顔を見られることを楽しみにしています。

2020年5月末日追記:
29日以降に、羽生選手の応援コミュニティ(と仮に呼びますが)の皆さんに、随分読んでいただいたようで少し驚きつつ、とても感謝をしています。みなさん、どうもありがとうございました。質問的な投稿もあったので、まとめてお答えして謝意に返させてください。もとより、本メディアはフィギュアスケートを主題にしているわけではありませんので、それをもとに議論するようなことはできませんが、スポーツにせよ演劇や音楽などファンの存在が前提になるものについては「コミュニティ」のあり方がまだまだこれからも変わっていくのだろうな、という思いも新たにしました。

「フィギュアスケートについて、詳しいか」という問いについては、記事中に書いています通り、伊藤みどり選手が活躍していた時代から観ていますので、マニア的な知識はありませんが、テレビでジャンプの種類を解説するくらいのことはおそらくできると思います。そういう意味では、男子では珍しいかもしれません。好き嫌いで言えば、フィギュアスケートを観るのははっきり好きですし。関連イベントに出かけると男性の少なさで実は少し目立ったりします。

ついでに、伊藤みどり選手について一言加えておくと、彼女のスケートをご覧になったことのない方々は、これを気にぜひYoutubeなどで見てみてください。カルガリーのエキシビジョンがおすすめです。記録ではなく記憶に残った、良い例です。マツコ・デラックスの言葉ではないですが、彼女がフィギュアスケートをスポーツにしました。いま見ても、羽生選手とは違った意味で感嘆します。羽生選手は、スポーツとして定義をした上でさらに芸術としての高みを目指していると言えるのでしょうね。「美しさは正義」です。

最後に
今回は「羽生選手のTwitter動画」を切り口に、どう伝えるのか、何を伝えるのかを考えてみました。今回の羽生選手の動画は、動画で伝える、ということの大変よい事例でもあります。オンライン◯◯、リモート◯◯、在宅◯◯のように環境変革が加速するなかで、企業の採用活動も大きく変わってきています。
企業にとっては、求職者・応募者向けに「会社に行かずとも会社を知ることができる」ための措置を講ずる必要性が高まり、就活生や転職希望者もまた、いかに効率よく信憑性のある情報を得らえるかを模索しています。
そのなかで「動画で自社を見せる」ことの意義は年々高まっています。特にこれからは条件よりも環境で働く場所を選ぶ人が増えてくると予想されるため、短い時間で直感的に雰囲気の伝わる「動画」が担う役割は大きいです。ビデオマッチングは、企業と個人でそれぞれ30秒動画でPRし、お互いにオファーを送ることで面談や採用へ繋げていただくことのできる、人材マッチングサービスです。
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野田 収一

プロデューサー 1966年生まれ。 大学卒業後、書店店長を営みながらamazon.comの誕生を目の当たりにし衝撃を受けWebを仕事にしようと心に決める。 ...

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